日々の生活の見直しや睡眠時間の確保も重要

ちなみに、リンパ液や血液といった、内耳の循環不全が起こる原因として、自律神経の働きの乱れも挙げられます。

自律神経とは、私たちの意志とは無関係に働き、内臓や血管をコントロールする神経です。この対象は、耳も例外ではありません。耳ツボマッサージは、この自律神経を調整する効果も期待できます。

耳ツボマッサージと並行して、ふだんの生活習慣の見直しも行いましょう。

メニエール病や突発性難聴といった難治性の疾患は、その原因がはっきりわからないとされていますが、大きな原因の一つと考えられているのが、疲労やストレス、不眠といった生活習慣です。これらは自律神経にも悪影響を及ぼします。

私自身、耳の症状に悩まされた時期がありました。若かったころは、ついつい無理を重ねてしまい、過労や睡眠不足によって突発性難聴や急性難聴をくり返し発症していたのです。私の場合は、症状が出るたびに、鍼治療とツボ刺激で対応していました。そのため、この症状に悩み、対応策がない場合のつらさはよくわかります。

経験上、難治性の耳の症状の改善には、1日7時間は睡眠時間を確保してほしいと強く思います。私は自己管理を徹底するようになってから、再発していません。

余談ですが、耳ツボマッサージは頭痛や顎関節症にも有効です。近年、コロナ禍のストレスにより、そういったお悩みを抱える患者さんも少なくないでしょう。そういったかたにも、お勧めです。

ストレスをためないことに気をつけながら、きちんと睡眠時間を確保し、耳ツボマッサージを続けることで、支障のない日常生活が実現できるでしょう。ぜひ、有効に活用していただければと思います。

この記事は『壮快』2022年4月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b600244.html