年収700万円の48歳男性、絶句…「資産家の父」急逝で“実家消滅の危機”に陥ったワケ

Hさんの実家は、代々続く資産家です。父の「突然の死」により相続をすることになったHさんですが、ある原因から家計破産の危機に陥ってしまいました。牧野FP事務所の牧野寿和CFPが、原因と解決策を解説します。

厳格な父親が嫌い…Hさんの「長い反抗期」

現在48歳のHさんの実家は、都心まで急行列車で2時間ほどのところにあります。H家は代々資産家で、父はその地では名の知れた地主です。邸宅も豪華で、閑静な住宅地ではひときわ目立っていました。H家の家族構成は、父、母、Hさん、妹。妹はHさんより3歳年下で、Hさんより早く結婚して現在は都内に住んでいます。

厳格な父親を嫌ったHさんは、都内の大学に合格したことをきっかけに実家を出たあと、地元には戻っていません。大学卒業後は貿易会社に就職し、30歳で結婚。都内の賃貸住宅で新婚生活をスタートさせました。

その後、2人の子どもに恵まれたHさん。34歳のとき突然、父から連絡がありました。

「奥さんも子どもも連れて、実家に戻ってこい」。三世代同居が当然と考えていた父は、家庭を持った長男であるHさんが実家に戻らないことに憤りを覚えていたのです。

しかし、Hさんは「なんだよそれ、勝手に決めるなよ! 仕事だってあるし、無理に決まってるだろ」と反発。都内の某所に自宅マンションを購入してしまいました。その後、Hさんの母や妻がHさんを取りなしましたが、購入してしまったものはしょうがありません。

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Hさんの「心変わり」も虚しく…父の身に起こった「まさかの事態」

時が経ち、Hさんも40代になりました。母が70歳、父が73歳と2人とも70代になったことに気づいたHさんは、妻の助言もあり、ひっそり実家に顔を出すことにしました。

久しぶりに実家の門をくぐると、そこには予想以上に小さくなった、年老いた父(73歳)の姿がありました。

また、Hさんの同級生や近所の人からも、「お~久しぶり!お前、親父さんは町内会の役員でがんばっているんだぞ。お前も早く帰ってこい」と声をかけられます。

Hさんは妙に、実家が恋しくなってきました。

とはいえ、ここまで来て、いまさら「実家に戻る」と父に伝えてもすぐに受け入れてくれるとは思えません。そこで母に、「俺さ、60歳の定年になったら実家に帰るわ」と伝え、都内の自宅マンションに戻ったのでした。

父の「突然の死」

そんなある雨の日の夕方のことです。車を運転していた父は、ハンドル操作を誤り電柱に激突。突然帰らぬ人となりました。