加給年金とは?受給条件・金額・手続きを解説!年の差婚夫婦は必見

加給年金とは、自身が65歳で老齢厚生年金を受け取り始めてから、配偶者が65歳になるまで受け取れる加算です。この記事では、加給年金の対象者や条件、金額の計算方法などを解説します。年間約39万円の加給年金が付くケースがあり、夫婦間の年の差が大きいと受け取る期間が長くなるため、合計額が数百万円にものぼる可能性があります。

加給年金で受け取れる金額はいくら?

加給年金の支給額は以下の表のように、対象者によって金額が変わります。
夫婦のみで、妻が加給年金の要件を満たす場合は、妻が65歳になるまで、夫の年金に39万7,500円が上乗せされます。
要件を満たす子供がいる場合は、2人までなら1人につき22万8,700円、3人以上いる場合は3人目からは1人につき7万6,200円が上乗せされます。

※夫が1943年4月2日以後生まれの場合。特別加算額は生年月日によって異なる

モデルケースで金額を確認!

モデルケースで加給年金の金額を確認してみましょう。
夫が65歳になり、加給年金を受け取れるケースで、その時の家族が以下のような場合、年金額は図のようになります。

■モデルケース
・夫65歳
・妻60歳
・子21歳、17歳、16歳の3人

●子の加算
21歳の子供は年齢的に加給年金の要件を満たしていないため該当しませんが、2人目、3人目の子供は加給年金の対象となり、それぞれ18歳の年度末になるまで1人あたり22万8,700円が加算されます。

●妻の加給年金と振替加算
妻は65歳から自身の年金(国民年金と厚生年金※)を受け取るものとします。
妻が65歳になるまでは夫に加給年金が付き、妻が自分の年金を受け取る年齢になると、夫の加給年金は停止され、妻自身に振替加算が年間1万5,323円付くという流れになります。
振替加算に関しては後述しますが、夫が死亡しても生涯加算され続けます。
※経過措置の条件に該当するものとする

このケースの場合、加給年金が約267万円と振替加算で約38万円受け取るので合計約305万円になります(妻が90歳で亡くなった場合)。

(加給年金)計算式:39万7,500円×5年間(配偶者)+22万8,700円(1人目)+22万8,700円×2年間(2人目)=267万3,600円……①

(振替加算)計算式:1万5,323円×25年間(65歳から90歳まで)=38万3,075円……②

①+②=305万6,675円

【参照】日本年金機構「加給年金額と振替加算」詳しくはこちら

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加給年金の受け取りに必要な手続き

加給年金を受け取るためには、手続きが必要です。必要書類を揃えて、年金事務所で申請を行いましょう。

加給年金の申請に必要な書類

加給年金の申請に必要な書類は、原則として以下の3点です。現在は、②や③を省略できる場合が増えています。
将来的にはさらに簡素化される可能性もあるので、ご自身の年金受給スタートの時に送られてくる書面や年金事務所等で事前に確認してみてください。

①戸籍謄本
②世帯全員の住民票写し
③妻や子の所得証明書または非課税証明書

注:①②は加算開始日以降に発行されたもので、かつ提出日の6ヵ月以内のものを用意してください。

加給年金の申請方法

加給年金の申請に必要な書類を準備したら、最寄りの年金事務所または年金相談センターで申請手続きを行います。
申請手続き後、日本年金機構から加給年金の手続きのお知らせが届くので、同封の返信はがきに必要事項を記入して返送しましょう。

特別支給の老齢厚生年金の請求時に、加給年金の対象となる妻や子が確認されていなかった場合などは「老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届」の提出が必要です。